[I-PSY1-03] 心房中隔欠損ASD小児例に対するカテーテル治療の有効性と限界 -3つのデバイスの使い分け-
Keywords:心房中隔欠損欠損, GORE Cardioform ASD occluder, erosion
【背景】2006年よりAmplatzer Septal Occluder(ASO)、2016年にOcclutech社製 Figulla FlexⅡ(FFII)、2021年にGORE社製のCardioform ASD Occluder (GCA)を導入した。体格の小さい小児例の場合に、デバイスの選択に難渋することがある【目的】10歳以下の心房中隔欠損ASD小児例に対するカテーテル治療の有効性と限界の検証【対象と方法】2006年以降、10歳以下の心房中隔欠損ASD小児例510例を対象とし、ASO、FFII、GCAの留置を試み、それぞれA群355例、F群119例、G群41例とし、3群間で年齢、体重、欠損孔径、rim長に関する検討を行なった【結果】留置し得たのは345例(97%)、117例(98%)、36(88%)。外科的介入を要したのは、A群で侵食1例、脱落2例、G群で脱落1例。Valsalva洞や左房への有意の圧排のため、留置を断念例はA群10例、F群2例、G群1例。年齢、体重はA群6.5±2.1歳、20±7.1kg、F群5.8±2.2、18±5.3、G群7.0±1.9、23±7.0で、F群で体格の小さかった(p<0.01)。欠損孔径、サイジングバルーン径は、それぞれA群12±4.3mm、15±4.9mm、F群14±4.7、17±5.2、G群12±4.0例、15±4.6で、F群で欠損孔径が大きかった(p<0.01)。aortic rim、IVC rimはそれぞれA群3.5±2.9mm、10±5.0mm、F群2.7±2.8、9.5±5.1、G群4.1±4.0、12±9.0でF群でaortic rimは短かった。aortic rim、IVC rimが2mm以下に限るとA群130例(37%)、18例(5%)、F群64(54%)、6(5%)、G群9(22%)、1(2%)。posterior rim、IVC rimが共に2mm以下の治療例が、A群11例、F群2例、G群0例。【考察と結論】FFIIは、欠損孔が比較的大きい症例に対しても留置可能であった。後下rimの乏しい症例に よりASOが用いられていた。大動脈への圧着が少ない印象を有したが、欠損孔が比較的大きい症例にGCA留置断念例があり、今後の長期フォローとより小さめのデバイスの開発が待たれる。