[I-PSY1-05] 当院における経皮的ASD閉鎖術のdevice選択とresidual shuntについて
キーワード:atrial septal defect, device closure, residual shunt
【背景】ASDにおけるdevice治療は安全で有効な治療として確立しているが、近年では遠隔期のIEに関する症例報告が散在し、不十分な内皮化が原因と考えられている。【目的】当院のASDにおけるdevice選択とresidual shuntに関連する因子について検討する事。【対象・方法】2016年4月から2021年12月までにASDに対してdevice閉鎖を試みた159人の患者のうち、治療を断念した5人、複数個のdevice留置した5人を除く149人(ASO 69人、FFⅡ 80人)が対象。device症例毎の患者特性、ASD欠損孔の大きさや形態、deviceサイズについて検討、また治療後12カ月のTTE所見からresidual shuntに関連する因子について検討した。【結果】FFⅡ症例で優位に低年齢(ASO vs FFⅡ 39.9±25.6歳 vs 29.8±24.6歳, p<0.05)でQp/Qsが高かった(2.0±0.6 vs 2.3±0.7, p<0.05)。FFⅡ症例で優位にASD最大欠損孔径が大きく(13.2±5.4mm vs 15.1±4.3mm, p<0.05)、Bald Ao, superior rim deficient, malalignment症例が多く(15% vs 34%, p<0.01; 22% vs 48%, p<0.005; 2% vs 13%, p<0.05)、ASO症例でIVC rim deficient症例が多かった(10% vs 3%, p<0.05)。residual shuntは治療後1か月で35%、6か月で18%、12か月で10% (14人)に認めた。治療後12か月時のresidual shuntの有無で二群間に分けて比較すると、residual shunt症例で優位にQp/Qsが高く、device sizeとASD最大欠損孔径の差が大きく(2.7±0.9 vs 2.1±0.6, p<0.0005; 4.8±2.9mm vs 3.1±2.4mm, p<0.05)、FFⅡ症例が多かった(ASO vs FFⅡ 1/14人 vs 13/14人, p<0.005)。【結語】device治療後1年が経過しても10%の症例でresidual shuntを認めた。欠損孔に対して大きいdevice選択はresidual shuntのため内皮化形成を遅らせる可能性がある。