[I-PSY1-06] GoreTM Cardioform ASD occluder導入による経皮的心房中隔欠損閉鎖術へのインパクト
Keywords:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, Gore Cardioform ASD occluder, 心房中隔欠損
【背景】Gore Cardioform ASD occluder (GCA)は金属量が少なく周囲組織への圧迫が少ないためびらん等の合併症が少ない。GCA導入は経皮的心房中隔欠損閉鎖術 (TC)の対象患者拡大に繋がると予想される。【目的】GCA導入後のTCの対象患者や留置方法の変化について検討する。【方法】2022年3月から2023年1月までにGCAを留置した16例において、既存デバイスの対象にならない症例や留置方法に変化を認めた症例を診療録と経食道心臓超音波検査結果から抽出する。【結果】多孔欠損症例2例: 欠損孔径10.2*7.7mmと2mmの二欠損孔(欠損孔間距離10.6mm)と欠損孔径13.4*11.6mmと2mmの中隔瘤を伴った二欠損孔(欠損孔間距離11mm)で両症例とも既存デバイスでは完全閉鎖には複数デバイス留置が必要かつ後者の症例は中隔瘤による可動性が著しく脱落予防のため中隔瘤全体をカバーする単一デバイスでの閉鎖がより好ましいと考えられた。抗核抗体陽性の膠原病症例1例: Bald Aoかつsuperior rim 3.2mmと乏しく6.8*5.6mmの上方欠損で近い将来ステロイド治療の可能性があり既存デバイスではデバイス圧迫に伴うびらん形成を来す可能性があった。隔壁化したEustachian valveと右房側に突出した心房中隔瘤によりデバイス留置後下大静脈狭窄が懸念された症例1例: 心房中隔瘤を伴った10.5*7.1mm のsuperior rim 欠損・Bald Ao症例で既存デバイスでは留置後の圧迫により中隔瘤が下方に変位して下大静脈狭窄が増悪すると予想された。全症例とも単一GCAデバイス留置で遺残短絡・合併症なく治療し得た。【結語】GCAは既存デバイスでは多孔性で複数デバイス留置が必要またはリスクが高い症例に対して安全かつ効果的な閉鎖が期待できる。