[I-SY01-06] 左心低形成症候群の良好な長期成績を目指した経カテーテル的再介入
キーワード:左心低形成症候群, Fontan, 長期成績
【背景】左心低形成症候群およびその類縁疾患(HLHS)は、最重症ながらも段階的、集学的治療の進歩によりFontan型手術(F術)まで到達する例が増えているが、残存・合併病変への対策を要することも多い。【目的】当院では原則として、F術到達症例全例に1年後、その後定期的に5年毎に心カテ評価を実施している。HLHSのF術後臨時心カテ評価、および再介入の実施状況から長期成績を検討する。【対象】当院で心カテを実施した61症例。【結果】F術到達年齢中央値は1.7年、平均F/U期間9.8年、F術後初回心カテ時期の中央値は2.8歳、F術後0.9年であった。心カテ回数の平均は3.1回(1~13回)、定期心カテのみ40例(R群)、臨時心カテを要した21例(E群)に分類した。R群は定期カテ87件、E群は定期カテ45件、臨時カテ60件が行われていた。R群は評価に加え10件(11.5%)に治療(血管塞栓術8件、開窓閉鎖1件、ステント再拡張1件)を併施した。E群の臨時カテの適応は、蛋白漏出性胃腸症11件、肺動脈狭窄5件、胸腹水8件、弁逆流・狭窄6件、低酸素血症6件、喀血3件、大動脈縮窄・体静脈狭窄・不整脈各2件、評価16件(重複あり、延べ数)であり、臨時カテの34件(56.7%)に治療(血管塞栓術18件、ステント留置12件、ステント再拡張7件、開窓作成/拡張2件、リンパ管治療5件)を併施し、E群全体で52件(49.5%)に治療を併施した。初回心カテ時の平均CVP/PAWPはR群11.4/6.2、E群12.7/7.9mmHg(P=0.038/0.023)、最終心カテ時のCVP/PAWPはR群10.3/6.0、E群11.8/7.7mmHg(P=0.092/0.013)。【考察】HLHSではF術後も心カテ再介入率、回数が多い傾向にある。臨時を含めた多彩な再介入対応により、循環動態改善からQOL向上に寄与する可能性が高い。