[I-SY03-01] 小児の心臓突然死ゼロを目指して~小児不整脈診療医の立場から
キーワード:学校検診, 突然死, 不整脈
小児期に突然死をきたす不整脈疾患としてWPW症候群、QT延長症候群、Brugada症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、特発性心室細動などがあげられる。以前にはこれらの疾患も含めて学校管理下の突然死は年間100 例以上報告されていたが、徐々に減少し、最近では年間に10 件前後まで著しく減少してきている。その要因として学校心臓検診によって潜在する心疾患を早期に発見してきたことが貢献している可能性がある。また体外式自動除細動器(AED)の使用が可能になったこと、学校の教職員をはじめとする地域啓蒙により、以前であれば突然死していたと思われるような例が多数救命されるようになったと考えられている。学校検診をきっかけに定期フォローされていたが心イベントがおきてしまった症例や、学校検診でひっかけることは困難であり、以前までなら原因不明の突然死とされてきたがAED等で蘇生され、その後の精査により初めて心疾患が診断される症例もある。今回は、実際に心肺蘇生(ニアミス例を含む)を要した症例を何例か提示して、小児の心臓突然死予防のために必要な知識を全体で考えてみたい。