[I-SY03-03] 先天性冠動脈異常のスクリーニングとリスク評価
キーワード:心臓突然死, 先天性冠動脈異常, 心エコー図検査
本邦での学校管理下突然死は年間生徒10万人に対して約0.2件の発生頻度と報告されている。この頻度は少ないとはいえ、元気に登校していた学童が突然死亡する悲劇に直面することから、その衝撃は家族や学校関係者に留まらず、地域社会に大きな影響を及ぼす。突然死は特に運動中に発生することが多いが、その3/4を心臓突然死が占め、その原因として先天性冠動脈異常が肥大型心筋症と並んで多数を占める。先天性冠動脈異常のなかでも、冠動脈が正常の位置ではなく、対側のValsalva洞から起始し、大動脈壁内と両大血管間を走行する異常において心臓突然死が起こりやすい。この疾患の大多数は安静時には無症状であることから心電図検査では疾患を捉えることが困難で、中には初発症状が突然死という場合もありうる。本疾患の小児におけるスクリーニング検査として心エコー検査は有用で、小児冠動脈疾患診療医の立場から発表を行う。