第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム4(II-CSY04)
そうだ、学校に行こう!学校BLS教育と救急シミュレーション

2023年7月7日(金) 10:30 〜 12:00 第3会場 (G304)

座長:檜垣 高史(愛媛大学地域小児・周産期学講座), 座長:高橋 昌(新潟大学大学院医歯学総合研究科)

[II-CSY04-01] 学校における心肺蘇生教育普及の取り組みー新潟PUSHプロジェクトの活動

高橋 昌 (新潟大学大学院医歯学総合研究科 災害医学・医療人育成分野)

キーワード:心肺蘇生教育, 学校教育, PUSHプロジェクト

【背景】中学校、高等学校の学習指導要領に心肺蘇生法などの応急手当てが記載され、学校における心肺蘇生教育は急速な普及が図られる一方、平成30年発行の「学校における心肺蘇生とAEDに関する調査報告書」では、全国の公立小・中・高等学校等における心肺蘇生教育実施上の課題として「講習時間が確保できない」「訓練資機材が足りない」「指導者がいない」「指導マニュアルが不足している」が指摘されている。【方法】新潟県内の学校における心肺蘇生教育普及のため、大阪ライフサポート協会開発のPUSH講習会を開催する地域コア団体新潟PUSHプロジェクトを設立。新潟県内の講習会開催依頼に全応需して心肺蘇生教育を実施。PUSH講習会は「授業1コマ45分で完結する簡易型心肺蘇生教育」「受講生全員に個別に簡易シミュレーターを貸与」「PUSHインストラクターの派遣による指導」「指導内容のDVDによる均一化」により学校教育の課題項目を解決すると期待した。新潟PUSHでは平成29年11月よりHPから出張講習会の開催を依頼できる体制¬も構築。依頼に際してPUSH講習選択したかにの理由もアンケートを実施。【結果】平成30年度より学校からの講習開催依頼数が増加。年間新潟県内150校前後でPUSH講習会を実施。受講生も小・中・高等学校だけで年間6,000人以上に至り、現在も年々増加している。アンケート結果では「45分間の1コマで収まる」「生徒全員分の資機材を持ってきてくれる」「指導者を派遣してくれる」などが依頼の理由として多くを占めた。【まとめ】学校における心肺蘇生教育は、学校における心臓突然死を防止するだけではなく、バイスタンダーCPRが実施される社会の形成に極めて重要な取り組みである。一方で、教育現場では実施に際して課題があり、PUSHプロジェクトは課題解決に寄与していると考えられる。