[II-CSY5-01] 内保連経由の提案の流れ
キーワード:診療報酬改定, 内保連, 2024年度
診療報酬改定は2年に1回行われ、次回は2024年度である。この抄録を記載している2023年3月現在は、内保連内での調整が終了し、厚労省に提出する最終提案書を作成している段階である。医学会からの提案は、主に内科系学会社会保険連合(内保連)、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)を経由して、厚生労働省(厚労省)に提出され、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で審議される。上記以外でも日本小児医療施設協議会(JACHRI)、厚労省内の例えば母子保健課や私が所属する国立成育医療研究センターからも提出が可能である。内保連は全部で138学会が加盟しており、診療領域別に25委員会に分かれている。日本小児循環器学会が所属するのは、循環器関連委員会と小児関連委員会である。ここでそれぞれの学会からの提案がまとめられ、共同で提出する学会の連携等が得られる。そして提案が採用されるためには、様々なデータを提出する必要がある。医療者側のメリットではなく患者側にメリットがあること、医療費削減につながることなどが重要視される。医療の均てん化、働き方改革などもキーワードになる。今回は医療デジタルトランスフォーメーション(DX)関連やこども家庭庁の創設もあり、小児医療も重視されるかもしれない。そして今回からは提案にガイドラインの記載の有無を明記することが求められ、ガイドラインに記載されていない医療技術の提案は基本的には採用されないことが明言された。従って、常にガイドラインを更新することは、保険診療上も大切な作業である。2024年度は本学会からの提案は、内保連経由で、既収載提案として2題、未収載提案として1題、基本診断料A区分既収載として1題の4題である。