[II-CSY5-02] 2024年度診療報酬改定に向けての外保連経由の提案の流れ
キーワード:診療報酬改定, 2024年度, 外保連
昭和36年に国民皆保険制度が施行されて以来、同一手術の診療報酬点数は全国どの病院で誰が執刀しても厚生労働省が決めた定額となっている。この定額をいかに合理的に設定するかが外科系医師および外科を擁する診療施設の生命線とも言うべき命題であり、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)手術試案第1版の「まえがき」には、「手術という治療行為は手術学という学問的な基礎に基づいて産みだされたものであり、その診療報酬も当然学問的根拠に立脚して決められるべきものである」、「社会保険診療における手術料を、日進月歩の医学・医術に即応した学術的根拠に基づいて一貫性のある算定方式により評価するよう探求したい」と述べられている。以来外保連は、一貫性のある算定のためには手術報酬を構成する基礎的な要素を綿密に分析する必要があり、なかでも最も重要な要素が人件費であると考え、「技術」という目に見えないものをその難易度に応じて有形の「金額」に変換すべく、直近上梓の外保連試案2022に至るまで精細な分析と検証を重ねてきた。2020年秋には日本外科学会の外科専門医制度修練施設(指定施設)および関連施設等2,410施設に対してアンケート調査を実施し、診療報酬表に収載されているすべての手術の手術時間などの実態調査を行って試案に反映させている。ここでは2024年度診療報酬改定に向けた外保連の役割と業務、要望・緊急要望・評価・意見書提出など厚生労働省保険局へのアプローチのプロセスなどについて概説する。