[II-OR15-06] 小児心臓移植におけるレシピエント移植コーディネーターの関わり
キーワード:小児心臓移植, レシピエント移植コーディネーター, 重症心不全
【背景】レシピエント移植コーディネーター(以下RTC)は移植待機前のファーストコンタクトから移植後遠隔期にわたり関わりを持つ活動している。これまでの関わりを通して、特に心臓移植後に焦点を絞りRTCの役割を検討・報告する。【目的】当院におけるレシピエント移植コーディネーターの関わりを通して小児心臓移植におけるRTCの役割を検討する。 【対象・方法】対象は2003年4月から2023年1月末までにRTC が対応した25名。 【結果】初診時年齢は生後2ヶ月から15歳。男児8名女児17名。原疾患は拡張型心筋症13名、拘束型心筋症1名、左室緻密化障害2名、心筋炎後心筋症2名、川崎病後遺症による虚血性心筋症1名、先天性心疾患 5名、薬剤性心筋症1名。心臓移植後患者は11名(待機中からの関わり9名、移植後からの関わり2名)移植後の患者や抱える問題は、「免疫抑制剤の合併症、拒絶反応、易感染、予後に対する不安、地域社会の理解不足、進学、就職、社会復帰へのとまどいや発達の遅れ、など」があり、移植後も指導、精神的・社会的ケアを継続して行っていくことは重要であるが、移植待機が長期化している患者への社会性や発達に対するサポートを行う事も重要である。患者や家族が自己判断で行動することがないよう、緊急時はもちろん、不安な事や心配な事がある場合や、すぐに連絡が取れるよう、RTCが24時間体制でタイムリーに対応、状況に応じて主治医に指示を仰ぎサポートしている。また、幼稚園(保育園)や学校が、安心して患者を受け入れられるよう、通園・通学先の先生方と関わりを持つ事も重要であり、入園・入学前には必ず主治医と訪問している。 【考察・結果】小児心臓移植において、移植前から移植後遠隔期に至るまで一貫して関わる事は重要であり、RTCの継続的な関わりには意義がある