[II-OR16-04] PDA以外の病変に対し、ADO familyを用いて閉鎖術を施行した3症例
Keywords:Amplatzer Duct Occluder, coil embolizaton, Vascular plug
【背景】異常血管や遺残短絡の経カテーテル閉鎖術に使用できるデバイスとして、コイルとVascular plugが用いられている。しかし、病変の径や長さ、形態によって、それらのデバイスは適さないこともしばしば経験する。ADO, ADOII, PiccoloからなるADO familyはデバイスの径や長さのバリエーションが豊富で塞栓力も優れている。しかし、PDA閉鎖用デバイスであり、PDA以外にはOff-label useとなる。今回我々は、院内の倫理委員会の承認を得た上で、PDA以外の病変に対し、ADO familyを用いて閉鎖術を施行した3例を経験したので報告する。【症例1】2歳 PA VSD MAPCA UF+palliatve RVOTR術後 dual supplyとなっている遺残MAPCAの閉鎖術を企図したが、0.035 inchのデタッチャブルコイルでは安定留置できなかったため、Piccolo5-6を留置し、完全閉塞を得られた。【症例2】1歳 PA VSD MAPCA 心内修復時に施行した右肺動脈形成により生じたと思われる右肺動脈-右肺静脈交通に対し、肺動脈側からPiccolo 5-6の留置を試みたが、容易に肺動脈へ抜けるため、ADOII 3-6を留置し、完全閉塞を得られた。【症例3】6歳 HLHS fenestrated TCPC術後 左肺動脈に多発性のPAVFがあり、低酸素血症の改善目的でfenestrationの閉鎖を計画した。4mmのfenestrationに対しADOII 3-4を留置し、完全閉塞が得られ、酸素化の改善を認めた。【考察】3症例とも目的部位へのデリバリーカテーテルの挿入は容易で、デバイスの脱落等の合併症なく、短時間で留置でき、完全閉塞を得られた。ADO familyはデバイスの径や長さのバリエーションが豊富かつ柔軟で、4Frのデリバリーカテーテルで留置可能であり、体格の小さい小児の異常血管や遺残病変を低侵襲に閉鎖するのに適したデバイスである。Off-label useであることを除けば、安全かつ有用な治療方法である。