[II-OR17-01] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術の適応拡大とデバイスの使い分け
キーワード:心房中隔欠損, カテーテル治療, 使い分け
【背景】GORE Cardioform ASD Occluder (GCA)が導入されデバイス治療の適応が更に広がった。同時にAMPLATZER Septal Occluder (ASO)やFigulla Flex Ⅱ (FFⅡ)との使い分けは複雑化した。【目的】当院におけるGCA導入後の新たなデバイス使い分けに準じた場合、デバイス治療 (T-ASD)適応とデバイス選択に及ぼす影響を調べること。【方法】2019年4月から2023年1月末までの手術治療 (S-ASD) 28例 (年齢中央値5歳、女75%)、T-ASD 73例 (年齢中央値13歳、女47%, ASO/FFⅡ/GCA 29/32/12例)について、新たな使い分けに準じた場合、S-ASD例のうちT-ASD適応となり得る割合とそのASD形態、T-ASDのうちデバイス変更となる割合と内訳を後方視的に検討した。デバイス使い分けは、(1)大動脈rim完全欠損範囲<30度かつmalalign<5mm、(2)留置予定ASOのLA disc径<最短中隔長+1mm、(3)Balloon sizing径>25mmの条件で、満たす:Y、満たさない:Nとして、(1)Y(2)YならASO、(1)Y(2)NならFFⅡ、(1)N(3)YならFFⅡ、(1)N(3)NならGCAとした。【結果、考察】S-ASDのうちT-ASD適応となり得るのは5/28例 (18%)で、大動脈側から頭側rimが広範囲完全欠損2例、中隔長に比して過大ASD 3例で、いずれもGCA適応となった。T-ASDのうちデバイス変更となり得るのは14/73例 (19%)で、FFⅡからGCAへの変更9例 (広範囲rim完全欠損6例、malalign3例)、GCAからASOへの変更3例、GCAからFFⅡへの変更1例、FFⅡからASOへの変更1例で、ASOからの変更例はなかった。GCAからの変更はGCA導入期に意図的に使用した例であった。【結語】S-ASDの約2割、FFⅡ留置例の約3割は新たにGCAの適応となり得る。