[II-OR17-02] 当院での経皮的心房中隔欠損閉鎖術における閉鎖栓の使い分けの検討
キーワード:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, Gore cardioform ASD, Ao突出
はじめに;経皮的心房中隔欠損閉鎖術(ASO)としてAmplatzer(A群)が2005年に承認されFigulla Flex II(F群)、Gore Cardioform ASD(G群)が2016年、2021年に追加され本治療の適応範囲は拡大した。一方で、それらの使い分けは術者に委ねられる。当院では、A群は中隔を十分に把持、F群は左房ディスクがソフトに留置、G群は両ディスクが柔軟に配置、と云った点を特徴として捉え使い分けを行っている。目的;当院の使い分けでどのような欠損孔にそれぞれのデバイスが留置されているか検討すること。対象と方法;2020年1月以降にASOを行った99例を電子カルテを後方視的に検討。結果;全例で留置を完了。Cribriformを除いた98例の内、A群38例(39%)、F群41例(42%)、G群19例(19%)に施行。副孔はそれぞれ2例、4例、1例に認めた。2例に2個留置が行われた。閉鎖栓変更はA群1例、F群2例でサイズダウン、G群2例でアップが行われた。種類変更はいない。Aortic rim(Ar)(mm)につき、A群は1.3-9.0(4.9±1.6)、F群は0-7.6(2.3±2.3)、G群は0-7.8(0±2.5)、G群の19例中10例(53%)にAr 0を、12例(63%)にMalalignment(MA)を認めた。GCA導入以降の24例ではA群4例(17%)、F群8例(33%)で、ArはA群は4.7-6.5(6.2±0.7)、F群0-5.4(4.3±2.0)と変化。考察;Arが十分な場合にはA群を選択し、A群がリスクと判断した場合にF群が検討された。事由としてはAr不足やMAにおけるAo突出への配慮、detach時の挙動、留置形態変化の軽減などがあった。Ao突出を避けるため変更においてもA群、F群のself-centeringデバイスではサイズダウンを行い、且つ、左房ディスクの性質も配慮した。G群ではLock挙動での脱落を想定し、安定のためサイズアップが行われた。結語;3種類の閉鎖栓により三者三様の特性を活かした留置術を行い、安全で有効なASOが拡大するものと考えられると同時に、新たな合併症に留意した経過観察が必要とされる。