[II-OR17-04] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術におけるデバイス選択 -どの症例に、どのデバイスを使用するべきか-
キーワード:心房中隔欠損症, 経皮的心房中隔欠損閉鎖術, デバイス
【背景】本邦でもGORE閉鎖栓(GSA)が導入され、Amplatzer閉鎖栓(ASO)、Oclutech閉鎖栓(FF2)と合わせ3種類のASD閉鎖栓が使用できるようになった。【目的】当院でGSA、ASO、FF2を留置した患者を後方視的に検証し、文献的考察を含め適切なデバイス選択方法を検討する。【方法】2016年4月以降に当院で経皮的心房中隔欠損閉鎖術を行った42例 (ASO 14例、FSO 23例、GSA 5例)が対象。患者特性、ASD径、肺体血流比(Qp/Qs)、rim長、デバイス径、デバイス径/ASD径、手技成功率、合併症率を比較した。【結果】3群間で、患者特性(年齢、身長、体重、体表面積)に有意差は認めなかった。ASD径およびQp/Qs、透視時間も、3群間で有意差は認めなかった。一方、使用されたデバイスサイズはASO 14.1 ± 1.5mm、FSO 18.4 ± 1.3mm、GSA 34.4 ± 2.9mm (p<0.0001)、デバイス径/ASD径はASO 1.03 ± 0.01、FSO 1.13 ± 0.02、GSA 2.76 ± 0.51 (p<0.0001)と、GSAにおいてより大きなデバイスが選択されていた。また、Aortic rimにおいてASO 5.5 ± 0.7mm、FSO 2.6 ± 0.5mm、GSA 4.9 ± 0.9mmと、FSO群において他の2群と比較し有意にrim長が短く、Superior rimにおいてASO 23.9± 2.1mm、 FSO 21.7 ± 1.8mm、GSA 9.8 ± 4.2mmと、GSA群おいて他の2群よりも有意にrim長が短かった。Inferior rimとposterior rimは、3群間で有意差は認めなかった。合併症は、GSA群でワイヤー操作に伴う肺出血を1例認めた。手技成功率は、ASO 100%、FSO 96%、GSA 100%であった。【考察】GSAは、従来のデバイスと比較しsuperior rimが低形成な症例やより広域なrim欠損に対し有用である可能性がある。体格の小さな小児への使用においては、左房サイズも加味したデバイス選択が必要であり、その点においてGSAはデバイスサイズが過大になりやすいため注意が必要である。