[II-OR18-02] 小児ASD device治療の遠隔フォローと心機能
キーワード:ASO, ASD, Pediatric
(背景)小児期のASD 閉鎖後の長期予後に関するエビデンスは、外科治療のものしかなく、成人期のASD閉鎖が(18-24歳以上)、生命予後が明らかに低下するのに比し、小児期の閉鎖は正常コントロール群と比して差は無い。一方で、心房細動の発生に関しては、18歳未満の閉鎖でも心房細動発生に影響しないとのデータもあり、不明である。さらに、15歳以下のASD閉鎖でも長期経過で右室の拡大やEF低下がある一定の割合で起きるとの報告もある。(方法)当院で2023/1/1までに18歳以下でASDをdevice (Amplatzer Septal Occluder )閉鎖した単独ASD(II)100例(施行年齢3―18歳中央値8歳、フォロー期間2―15年、中央値10年)について、小児ASD device治療の遠隔フォローと心機能について後方視的に調査した。(結果)21例が経過観察中、18例がフォロー終了、34例が成人循環器内科へ紹介、4例が他県の小児循環器科へ紹介、21例がドロップアウトしていた。フォロー終了例はおおよそ10年であった。ドロップアウトは、当院で閉鎖を始めた初期3年にほぼ半数が存在した。長期合併症に関して、6年目で1例erosionが発生したのみであった。また、ASD施行後1年と10年でconventionalな心エコー計測できた19例、施行後1年と5年で左房3Dストレインを計測できた8例について検討したところ、conventionalな心エコー指標は、右室、左室(TDI s’, e’, E/e’、E/A、LVEF等)とも正常値を維持していたが、左房の3Dストレイン(Reservoir、conduit、contractile strain)は正常と比較して低下したままで、あった。(結語)ドロップアウト症例が多く、フォローアップの重要性に関する教育が必要と思われた。5-10年の遠隔期の心機能指標は正常域だが、心房機能は低値のままであり、将来的なHFpEFへの進展などが懸念され、フォローのあり方を考えていく必要がある。