[II-OR18-03] 心臓造影CTによる経皮的心房中隔欠損閉鎖術後のデバイス内膜化の評価
キーワード:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, 造影CT, デバイスの内膜化
【目的】自己拡張型心房中隔欠損閉鎖デバイスによる経皮的閉鎖術(TCASD)において遠隔期感染性心内膜炎の報告が散見される。デバイス内膜化が不十分であることが原因と考えられているが、それを評価する方法は確立していない。TCASD後心臓造影CTによりデバイス内膜化を評価することを目的とした。【方法】TCASD症例278例中、治療後心臓造影CTを実施した症例において、デバイス内と左房のCT値を比較した。(内膜化が不十分な場合はデバイス内に造影剤が流入するためデバイス内CT値)/(左房CT値)>0.4であれば内膜化不十分とした。デバイス内の造影効果が不均一な場合は最高値を採用した。【結果】対象は25例。TCASD時年齢8.8(5―14)歳、Qp/Qs 2.2(1.1-4.37)、ASD径15.1(5.4-25.8)mm、バルーン計測径16.6(7.1-27.2)mm、使用デバイス径16.4(7.5-27)㎜だった。TCASD後28(2-130)か月時に心臓造影CT実施を実施した。左房CT値395(230-613)、デバイス内CT値 209(25-603)、(デバイス内CT値)/(左房CT値比)0.51(0.06-1.05)であった。(デバイス内CT値)/(左房CT値比)>0.4であったのは12例(48%)であった。デバイス内膜化の有無で比較すると、年齢、ASD径、デバイス径、ASD径/デバイス径比、使用デバイス種類の違いによる差はなかった。観察期間44(11-130)か月において感染性心内膜炎を発症した症例は認めなかった。【考察】TCASD後の治療後2年以上経過しても約半数に内膜化不十分である可能性が示唆された。経過観察の方法や感染性心内膜炎リスクに対して十分に評価する必要があり。造影CT検査は遠隔期経過観察モダリティーの一つとして考慮されるべきである。