[II-OR18-05] 造影CTによる経皮的心房中隔欠損閉鎖術後の心浸食リスク評価
キーワード:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, 自己拡張型心房中隔欠損閉鎖デバイス, 心浸食
【目的】自己拡張型心房中隔欠損閉鎖デバイスによる閉鎖術(TCASD)では遠隔期においてもデバイスによる心穿孔・心浸食リスクが報告され、大動脈辺縁欠損例がそのリスクとされる。しかしデバイス周辺へ浸食状態は経胸壁心エコーでは評価が困難である。そこで造影CTによる評価を試みた。【方法】TCASD症例278中、術前心穿孔リスクが高いと判断した25例に治療後約1年後に心臓造影CT検査を実施した。デバイスの大動脈壁への接触状態をデバイスと大動脈壁内との厚さで評価し比較した。【結果】TCASD時年齢8(5―14)歳、Qp/Qs 2.2(1.1-4.37)、ASD径TEE0°:12.5(3.0-25.8)mm、TEE60°:13.0(3.0-20.6)mm、TEE90°:13.0(4.9-21.8)mm、バルーン計測径16.6(7.1-27.2)mm、大動脈辺縁1.9(0-7.1)mm、前上方辺縁2.7(0-7.4)mm、使用デバイス径16(7.5-27)mmだった。治療後28(2-130)か月時に心臓造影CTを実施し、RAディスク-AO内腔厚1.5(0-5.7)mm、LAディスク-AO内腔厚1.2(0-2.25)mmで、ディスク-AO内腔厚0mmであった症例がRAディスク側5例(20%)、LAディスク側3例(12%)であった。観察期間36(11-90)か月で心穿孔・心浸食はなかった。ディスク-AO内腔厚に関連する因子はなかった。【考察】AO欠損例を対象として本研究において、TCASD3年後においてもデバイスがAOへ極めて近接している症例が20%あることが分かった。全例を対象とすることで新たなリスク因子が明らかになる可能性がある。