The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

フォンタン手術後遠隔期

一般口演(II-OR23)
フォンタン手術後遠隔期

Fri. Jul 7, 2023 3:50 PM - 4:50 PM 第7会場 (G314+315)

座長:葭葉 茂樹(埼玉医科大学国際医療センター), 座長:安田 和志(あいち小児保健医療総合センター 小児心臓病センター循環器科)

[II-OR23-03] フォンタン手術から始まる新たな治療計画 -フォンタン開窓、徐脈頻脈コントロールから補助人工心臓まで-

葭葉 茂樹1, 戸田 紘一1, 鍋嶋 泰典1, 小林 俊樹1, 住友 直方1, 小島 拓朗1, 鈴木 孝明2, 保土田 健太郎2, 帆足 孝也2 (1.埼玉医科大学 国際医療センター 小児心臓科, 2.埼玉医科大学 国際医療センター 小児心臓外科)

Keywords:フォンタン開窓, 恒久的メースメーカー, 補助人工心臓

【背景】機能的単心室に対するフォンタン手術時からフォンタン破綻(FF)予防医療がスタートする.投薬治療によるFF予防の限界を感じる一方で、FF患者に対する心臓移植は日本では難しい.【目的】・FF患者を調査し、破綻予防に重要なファクターを考察し新たな治療戦略を提案.【対象】当院でフォローアップ中のフォンタン術後95例:フォンタン術月齢中央値 26(12-360).フォローアップ期間中央値18(0.5-30)年.フォンタン開窓(Fen)53例(56%).恒久的ペースメーカー植え込み(PMI)12例(13%、洞機能不全9例、房室ブロック3例).房室弁人工弁置換(AVVR)5例(5.3%).カテーテルアブレーション(ABL)3例(3.2%).【結果】・FF10例(11%):左心低形成症候群4/14例、右室型単心室3/34例、両大血管右室起始2/14例、三尖弁閉鎖1/8例、左室型単心室0/7例、完全大血管転位0/5例、修正大血管転位0/2例、純型肺動脈閉鎖0/8例、エブスタイン奇形0/2例、右室低形成0/1例.・死亡5例(5.3%):EXCOR装着1例、心臓移植1例.・FF原因:蛋白漏出性胃腸症(PLE)5例、心機能低下7例(DKS後心機能低下3例、頻拍性不整脈1例、AVVR 3例).【リスクファクター】・Fenなしあるいは閉鎖:FF P<0.025.高度狭窄したFenに対するバルーン拡張でPLE寛解2例.・AVVR:FF P<0.025、死亡P<0.05.・徐脈性不整脈に対するPMI例、ABL例にFFはなかった.【考察】・PLE予防の観点でFenは必要.・生命予後改善に心機能維持が最重要課題.AVVRした心機能低下例は予後不良.頻脈性不整脈に対するABL、徐脈に対する積極的なPMI必要.・FF患者に対する補助人工心臓装着2例は循環動態、他臓器不全も速やかに改善.EXCORの台数制限、QOLの観点から植え込み型が望ましい.【結語】FenでPLEを予防、積極的リズムコントロールで心機能維持、植え込み型補助人工心臓装着できる包括的施設での管理が重要.補助人工心臓装着タイミングは今後の課題.