The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

教育・多職種連携

ポスター発表(II-P05-1)
教育・多職種連携

Fri. Jul 7, 2023 9:50 AM - 10:50 AM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:宗村 弥生(山梨県立大学看護学部)

[II-P05-1-07] 小児病棟における体外式補助人工心臓装着患児の受け入れ準備と今後の課題

森江 聖貴, 原 絵理佳, 青柳 崇, 大内 真依, 塙 美咲, 横島 里早, 千葉 里子 (筑波大学附属病院)

Keywords:VAD, 受け入れ準備, 多職種連携

<背景>小児体外式補助人工心臓(以下小児VAD)は、小児の重症心不全に対する治療であり、年々待機期間が延長傾向の中、心臓移植に向けた大きな架け橋といえる治療である。長期入院が予測される中で、PICUから小児病棟へ生活の場を移すことは、患児と家族にとって転機であり、医療者にとっても非常に大きな出来事である。<目的>今回、内科・外科問わず様々な疾患の治療を行う当院の小児総合医療センターにおいて、小児VAD装着患児の初回受け入れを行った。病棟での事前準備および今後の課題について報告する。<実践内容>受け入れにあたり、医師、看護師、臨床工学技士(CE)、リハビリテーションスタッフ、心理士、医療ソーシャルワーカー、薬剤師からなる多職種チームでカンファレンスを行い課題を抽出した。さらに、病棟看護師チームで課題解決方法の検討を行い、必要な知識、技術を病棟看護師が獲得できるように準備を進めた。人工心臓管理認定士と連携し、小児VADの仕組みや管理方法の研修を行った。CEからは機材を実際に使用した、実践的なシミュレーションを行った。これらの研修には病棟看護師全員が参加できるよう計画し、知識の均質化を図った。小児VADを管理する上で必要な技術に関して、PICUで一日研修を行い、日常生活援助などの指導を受け技術を習得した。小児病棟転棟後に実践することの実現可能性と実施可能について看護師間で協議し、マニュアルを作成することで、小児VAD管理に必要な技術の周知に努めた。受け入れ後、PICU看護師と血液ポンプの確認やCEの点検回数を増やすなど連携を図り、小児病棟で入院生活が安全に送れる管理体制を整えた。<考察>多職種と密に連携を図ることで、小児病棟への受け入れが可能となった。今後は、運動機能の維持と向上を安全に行うための環境調整や、成長発達に合わせた介入、長期入院により考えられる精神的、社会的負担への援助が課題である。