[II-P05-1-08] 心臓病の子どもの鎮静看護ガイドライン作成に向けた海外文献の検討
キーワード:鎮静, 先天性心疾患, 看護
[目的] 小児循環器疾患をもつ子ども(以下循環器疾患の子ども)の状態の悪化を防ぐために、薬剤による鎮静が必要な場面は多々あるが、鎮静薬は子どもの発育・発達を阻害する要因の一つであり、臨床における鎮静薬の活用に悩む看護師は多い。そこで、看護師のための循環器疾患の子どもの鎮静に関する看護ガイドライン作成の参考にするため、海外文献を検討したので、報告する。[方法]検索は、[MEDLINE][CINAHL]などを含むEBSCOhostを用いて行った。検索語は、『sedation/ anesthesia』『children/adolescents』『heart/cardiac disease』『nursing』を用い、前者3つはタイトル内を範囲に、『nursing』はフィールド選択をせず、出版年は2002年以降とした。文献の抄録を読み、関連する文献を19件抽出した。さらにWEB検索を行い、4つの文献を追加し、計23の文献を検討した。[結果] 文献の中心テーマは、薬物療法/非薬物療法を用いた鎮静が20件、鎮静に関する多職種の学習方法・チーム連携・患者説明がそれぞれ1件ずつであった。患者の状況は、術後が10件と最も多く、ついで検査治療処置(5件)、他には終末期や術前などもみられた。文献種別は、研究が16件,ガイドラインを含む解説が7件であった。23文献中、看護のみに焦点をあてて記述されたものは13件であり、効果的に循環器疾患の子どもの鎮静を行うために、State Behavioral ScaleやCOMFORT-Bなど、客観的に評価出来る共通ツールを用いていた。また、評価について1日に複数回多職種でカンファレンスを行い、できるだけ早く対応できるように工夫をしていた。[考察・結論] 循環器疾患の子どもの鎮静に関する看護論文は20年で約20件と、非常に少なかった。鎮静の介入の中心は薬物療法であるため、医師をはじめとした多職種との連携が重要である。看護師が主体的に関わるための拠り所となるガイドライン作成に向けて検討していく。