第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター発表

外科・その他

ポスター発表(II-P05-4)
外科・その他

2023年7月7日(金) 09:50 〜 10:30 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:小澤 秀登(大阪市立総合医療センター小児心臓血管外科)

[II-P05-4-01] Anomalous aortic origin of coronary arteryに対する当院での手術経験

岩橋 啓介, 中野 俊秀, 曹 宇晨, 細田 隆介, 原田 雄章, 平野 暁教, 安東 勇介 (福岡市立こども病院)

キーワード:Anomalous aortic origin of coronary artery, unroofing/fenestraiton, intramural course

【目的】Anomalous aortic origin of coronary artery(AAOCA)は突然死の原因となりうることが知られており、両大血管間走行や大動脈壁内走行するものは外科的治療が推奨される。今回、AAOCAの診断で、当院で手術を施行された症例の手術成績を検証した。【対象】AAOCAの診断での手術施行例は8例あった。年齢の平均値は11.8歳(8-14歳)で失神、胸痛の虚血症状で精査され診断したのが5例(運動負荷シンチ陽性が2例、NSTEMIの診断が1例)、既往疾患のフォローアップでの偶発的診断が3例あった。分類はAnomalous aortic origin of LCAが4例、Anomalous aortic origin of RCAが4例であった。フォロー期間の平均値27.4ヶ月(2-120ヶ月)であった。【結果】①commissure先端より末梢のintramural courseをtake-offまでunroofingした4例、②commissure先端より中枢のintramural courseをtake-offまでunroofingし、commissureの吊り上げを施行した2例、③commissure直下レベルでintramural courseを部分的にunroofingしfenestrationを施行した3例の3つ術式があった。Commissureの吊り上げを施行した1例は人工心肺離脱時の評価でARが出現したため、吊り上げを追加していた。また、Anomalous aortic origin of RCA の症例に対しては圧迫解除目的の肺動脈縫縮を施行していた。全ての症例において新規のAR、PR出現なく手術は終了した。術後合併症は術後心嚢液貯留でドレナージ施行したのが3例あったが、ARや虚血イベントがあったものはなかった。全例、術後フォローCTは術後2週間から4ヶ月の間で撮影、全ての症例で開口部の異常はなく、現在も虚血症状なく経過良好である。【結語】当院ではAAOCAに対するunroofing/fenestrationの手術成績は良好であった。