[II-P05-4-07] 小児心臓血管外科手術後心停止へのアプローチ
キーワード:心停止, 小児心臓血管外科, 心肺蘇生
【背景】当施設では、心臓血管外科の中で数名が小児心臓外科に従事している。術後ICU管理は小児心臓外科医が中心となり、成人心臓外科医と集中治療医、小児科医が協力して行っている。心臓血管外科術後の心停止には海外の胸部外科学会からガイドラインが示されているが、小児に関する記載はわずかである。【目的】当施設における小児心臓術後心停止のアルゴリズムを確立する。【方法】AHAの小児患者心停止アルゴリズム、STSの心臓血管外科術後心停止のexpert consensusをテキストとし、院内勉強会を3回実施した。小児・成人心臓血管外科医、小児科医、集中治療医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士の多職種で、小児心臓術後患者が術後ICUでVFを起こしたことを想定したシミュレーションを行った。シミュレーション後に振り返りを行い、ガイドラインに自施設なりの解釈を加えたアルゴリズムを作成する。【結果】AHAのガイドラインを基本とした。胸骨圧迫を開始する前にリズムの確認を行い、電気ショックの適応を検討するステップは排除する。胸骨圧迫を行いながら電気ショックの適否の判断を行う。電気ショックは続けて3回まで施行し、自己心拍再開しない場合は緊急開胸する方針とした。また心停止認識から緊急開胸まで5分以内を目指すこととした。【考察】AHAのガイドラインにSTSのexpert consensusを融合し、さらに自施設内のルールを追加した。多職種間でシミュレーションを行うことで、小児心臓術後患者の心肺蘇生法につき、不確かな知識を正す良い機会となった。これは急変対応だけでなく、日常の術後管理の精度をあげることにも寄与している印象がある。【結論】多職種で小児心臓手術後心停止アルゴリズムを作成した。定期的な急変対応シミュレーションを継続し、急変対応を含めた術後管理力を向上させたい。