[II-P05-5-09] 小児ICUにおける終末期看護の現状
Keywords:終末期, 小児, 看護ケア
【背景・目的】当ICUでは終末期となった時点から亡くなるまでの期間が短く、家族に対し十分なケアができず、看護スタッフ間でも終末期ケアに経験の差があると考えられる。当ICUの終末期ケアの現状を把握し今後のケアに活かす。【方法】当ICUにおける2020年4月~2022年10月までの死亡退院となった症例の終末期ケアに関する情報の集計を行い、現状を把握する。【結果】グラフを当日開示します。【考察】当ICUでは予後不良時の病状説明を契機に終末期と捉えている。病状説明から死亡退院まで6日以上では充実したケアが実施できているが、0~1日ではケアを実施できた項目が少ない。ケアを実施できなかった要因として家族の要望が聞けていない事、他職種と連携がうまくいかなかった事が挙げられる。家族の要望を聞くことができなかった要因として、家族は説明時に終末期であることを伝えられるが、その説明でショックを受けた状態で具体的に実施したい内容の表出は困難であると考える。そこで終末期に実施できるケアのリストを作成し、提示することで家族もケアを選択出来るようになると考える。説明の際は必ず看護師が同席するため、医師に協力してもらい看護師からケアの要望を聞く時間を作ってもらうようにする必要がある。当ICUでは終末期の患児は呼吸器やその他の医療機器から離脱できない場合が多く、面会の制限もあり兄弟や祖父母を含めた家族との時間を作るには個室へ移動する必要がある。医療機器を移動する際、他職種の協力が必要であるため、他職種カンファレンスで情報共有を行い、周知することで個室移動時もスムーズに実施できるのではないかと考える。今後は本研究を基に看護スタッフ全員が統一したケアが行えるよう終末期ケアに関するマニュアル作成を検討し、他職種と連携することでケアの幅が広がり患者家族にとってより良い終末期ケアに繋がると考える。