[II-P06-2-05] 複雑心奇形を合併する大動脈縮窄、大動脈弓離断の大動脈弁径と遠隔期大動脈弁狭窄症の検討
Keywords:大動脈狭窄, 大動脈弓離断, 大動脈弁狭窄症
【目的】複雑心奇形を合併する大動脈縮窄,大動脈弓離断(CoA/IAA)は大動脈弁狭窄(AS)を合併することがあり,Arch repairと心内修復術を行なった後にASが顕在化することがある.当院で心内修復を行なった症例の大動脈弁(AV)径と術後ASの関係を検討する.【対象】2004年1月から2022年12月に当院で複雑心奇形を合併するCoA/IAAに対して二心室修復を行なった74例【結果】手術日齢中央値18日(日齢4-2歳2ヶ月),体重中央値3.26kg(1.90-23.8). CoA complex 55例(74.3%),IAA19例(25.7%).AV径中央値5.5mm(3.5-9.3mm),76.6% of N(53.7-111.1).二尖弁 29例(39.2%).一期的手術65例(87.8%),二期的手術9例(12.2%).ICU滞在日数中央値5日(1-29).follow up中央値5.8年(22日-13.2年).術後LVOTOが顕在化したのは11例(14.9%),そのうちAS 6例(8.1%),SAS 5例(6.8%).ASはsevere3例(4.1%) ,mild 3例(4.1%).ASの再介入3例(4.1%),そのうち手術valvotomy2例(2.7%).カテーテル治療1例(1.4%).外科的再介入までの期間中央値6.2年(5.8-6.7年).再手術回避率5年100%,10年94.1%,15年94.1%.急性期死亡例1例(1.4%).遠隔期死亡無し.原因はsevere TRによるLOS.術後AS 6例のICR時AV径中央値5.3mm(4.5-6.5mm),74.2% of N(58.7-85.8).二尖弁5例(83.3%).二尖弁は術後ASの発生と相関性を認めた。(p=0.02).【考察】大動脈弁径70% of normalや体重+1mmで遠隔期ASの再介入に関して有意差はなく、一方AV径が小さい症例でも心内修復術後にASが顕在化しない症例も散見しており,AV径のみで遠隔期ASを予測することは困難と考えられた。二尖弁を含めた弁の性状などを含めた術式選択が必要と考える.【結論】複雑心奇形を合併するCoA/IAAではAV径のみでは術後ASを予測することは困難で,大動脈弁の性状を加味した術式選択が必要である.