[II-P06-3-02] 当院における川崎病再発症例の検討
Keywords:川崎病, 再発, 不全型川崎病
【背景・目的】川崎病の再発率は3-4%とされる。当院で診療にあたった川崎病再発例について検討を行い、再発例の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした。【対象・方法】2002年1月1日から2022年12月31日の期間に川崎病と診断した症例のうち再発例を対象とした。初回の川崎病が寛解した後に発症した川崎病を再発と定義した。各症例について性別、初回および再発時の年齢、初回から再発までの期間を検討した。また初発時と再発時で、診断日、主要症状の出現頻度、治療経過を比較検討した。また再発のリスク因子となり得るものがないか、再発群と非再発群でケースコントロール研究を行い、発症時年齢、性別、血液検査所見を比較検討した。【結果】観察期間内に川崎病は948症例、そのうち再発例は35例(3.7%)、再々発例はうち5例(0.5%)であった。性別は男児が22例、女児が13例であった。発症時年齢は初回平均が1歳9か月、再発時平均が3歳4か月であり、初回から再発までの期間は平均1年7か月であった。診断日は初回平均が第4.9病日、再発時は第4.8病日であった。初発時と再発時で、BCG痕の発赤は初発時に有意に多くみられたが、その他の主要症状の発現頻度に有意な差は認めなかった。初回治療は全例に免疫グロブリン及びアスピリンの投与を行い、初回治療に不応であり追加治療を要したのは初発時9例、再発時6例であった。冠動脈瘤を認めた症例はなかった。再発群と非再発群を比較し、発症時年齢、性別、血液検査所見のいずれにおいても有意な差は認めなかった。【結論】当院での再発率は3.7%であり既報と同様であった。BCG痕の発赤は初発時に多くみられたが、これは初発と再発の発症時年齢の違いによるものかもしれない。今回の検討では川崎病再発のリスク因子ははっきりしなかった。今後更に多角的な検討が必要と考えられる。