The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

川崎病

ポスター発表(II-P06-3)
川崎病1

Fri. Jul 7, 2023 10:50 AM - 11:50 AM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:津田 悦子(国立循環器病研究センター小児循環器内科)

[II-P06-3-07] 急性期に冠動脈拡大がなかった川崎病患者における5年間の冠動脈径の推移

矢野 悠介1, 林 立申1,2, 塩野 淳子1, 堀米 仁志1 (1.茨城県立こども病院 小児循環器科, 2.筑波大学 医学医療系)

Keywords:川崎病, 川崎病性冠動脈瘤, 心エコー

【背景】川崎病急性期に冠動脈拡大がなかった症例に対しても、発症1年及び発症5年の観察が推奨されているが、実際にこれらのタイミングで冠動脈拡大が新たに診断されることは稀である。【目的】川崎病発症後1か月で冠動脈拡大のない患者の冠動脈径の変化を検討する。【方法】2012年3月-2018年1月の間に川崎病を発症し、その後5年間フォローされ、発症1か月の時点でZ score最大値(Zmax)<+2.5だった症例を対象とした。患者背景、急性期経過、発症1か月、1年、5年における冠動脈径(RCA近位部、LAD近位部)について後方視的に検討した。【結果】患者は全117例(男性65例、57%)、発症月齢中央値23(IQR 12-38、診断病日中央値5日(IQR4-6)、不全型13例(11%)、川崎病再発2例(2%)。IVIG施行104例(89%)、PSL投与15例(57.7%)、初回治療不応20例(17%)。発症14日以内にZmax≧+2.5だった症例13例(11%)。Zmax(平均±SD)は発症14日以内:RCA +1.02±0.97、LAD +0.86±1.02、発症1か月:RCA -0.13±1.14、LAD +0.09±1.14、発症1年:RCA -0.17±1.22、LAD -0.18±1.19、発症5年:RCA +0.40±1.02、LAD +0.02±0.95だった。発症1年:Zmax≧+2.5だった症例は2例、1例は発症5年時退縮し、1例(RCA 2.9mm, Z+2.50)は発症5年:RCA 3.6mm, Z+3.00だった。発症5年:Zmax≧+2.5だった症例は1例(発症1年:LAD 2.2mm, Z+1.93、発症5年:LAD 3.1mm, Z+2.87)だった。3例全て有意な拡大でないと判断され、心電図異常や心血管イベントはなかったため5年でフォローを終了された。【結語】川崎病発症1か月冠動脈拡大がなければ、心エコーフォロー期間を安全に短縮できる可能性がある。