[II-P06-5-03] フォンタン型手術における胸腔ドレーンの固定方法の検討
キーワード:胸腔ドレーン管理, 小児, 看護
【背景】フォンタン型手術後は、胸水が遷延し長期に渡る胸腔ドレーン管理を要することがあり、患児の体動等で固定の脱落や計画外抜去のリスクが高い。当院においてもドレーン管理に難渋する事例があり、ドレーンの固定方法を検討した結果、固定テープの土台としてフィルム材を貼付、固定テープはΩ固定と割入りテープを組み合わせる等、2021年1月より固定方法を変更した。なお、当院では固定テープは定期交換ではなく固定テープの一部剥がれや脱落により固定が不十分になった際に貼り替えを行っている。【目的】胸腔ドレーンの固定方法の変更前後での計画外抜去の回数、テープを貼り替えた回数を検討し、固定方法の妥当性、問題点を検証する。【方法】2019.7~2022.9の期間でフォンタン型手術を施行し術後胸腔ドレーン管理を要した患児を対象とした。ドレーン固定方法変更前(A群)と変更後(B群)の2群に分け、ドレーンの留置期間、計画外抜去の有無、テープ貼り替えの回数を後方視的に検討した。【結果】対象者は24名(A群10名、B群14名)で、男児は18名(75%)、女児は6名(25%)、年齢は1歳1ヶ月~5歳0ヶ月、平均2.0歳(±13ヶ月)であった。A群における延べドレーン留置日数158日、B群120日に対し計画外抜去はA群4回、B群1回、固定テープの貼り替えはA群73回、B群28回(p=0.02)であった。またドレーンの留置日数と固定の貼り替え回数においてA群、B群にそれぞれ相関関係がみられた(A群; r=0.73, p<0.01, B群; r=0.60, p<0.01)。B群の固定の貼り替え回数において月齢、安静度に有意差はなかった。【結語】胸腔ドレーンの固定方法を変更後、ドレーン固定の貼り替え回数が有意に減少し、計画外抜去を防ぐことができた。しかし固定方法変更後も計画外抜去事例があり今後さらなる検討が必要である。