第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター発表

医療安全・ケースレポート

ポスター発表(II-P06-5)
医療安全・ケースレポート

2023年7月7日(金) 10:50 〜 11:50 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:青木 雅子(東京女子医科大学 看護学部)

[II-P06-5-06] カリウム製剤を変更したことによる利点・欠点

岩本 椋香, 山本 千尋 (埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

キーワード:先天性心疾患, 経口カリウム製剤, NGチューブ

【背景・目的】当院では、アスパラギン酸カリウムと塩化カリウムの2種類を採用し経口カリウム製剤として使用している。以前当科では、アスパラギン酸カリウムを使用していたが、NG閉塞のインシデントが頻回にあり2020年の1年で6件あった。当科医師・薬剤師・看護師と話し合い2021年よりアスパラギン酸カリウムを決められた白湯の量で溶解することにした。しかしNG閉塞のインシデントは減らず入れ替えを余儀なくされていた。そこで当科医師・薬剤師・看護師と再度話し合いを行い、2022年7月より塩化カリウムに変更した。今回、薬剤変更したことによる利点・欠点を明らかにする。【方法】2022年1月~12月の内服患者数からNGチューブ関連インシデント数を集計し、単純分析を行う。【結果・考察】2022年1月~6月の内服患者数は1232人で、アスパラギン酸カリウムによるNGチューブ閉塞インシデントは4件であった。アスパラギン酸カリウムは、一度混濁するとダマになり、多剤と同時に混濁するとチューブ閉塞しやすい。その為NGチューブが詰まりかけ、内服投与後に多量の白湯を流し、インシデントには至らなかった事例も数例あった。それに対し、2022年7月~12月の内服患者数は1443人で、塩化カリウムによるインシデントは0件であった。また塩化カリウムは水への溶解性が高く、内服投与は少量の白湯のみで溶解できている。NGチューブ交換が無くなったことで児への負担は軽減されていると考える。心臓疾患のある児は水分出納バランスを細かく管理していることが多く水分制限等も行っている。その為、水分量も最小限にできることは利点であると考える。【結論】アスパラギン酸カリウムから塩化カリウムへ変更したことで現状欠点はなく、利点が多いと明らかになった。