[II-P07-1-07] COVID-19禍の先天性心疾患手術に対する影響について
キーワード:先天性心疾患, 手術回数, COVID-19
【目的】令和元年12月に中国武漢から全世界に広まったCOVID-19パンデミックにより、今まで実施してきていた通常の診療に支障が出ている。小児診療も例外ではなく、今回、先天性心疾患手術に対する影響について調べた。【調査方法】NDBオープンデータのレセプトデータから、先天性心疾患に対する手術の保険算定回数を調べた。レセプトデータは平成26年度から令和2年度までの7年間であり、データは厚生労働省のホームページに公表されており、誰でもいつでも閲覧することができる。K手術「款別性年齢別算定回数」のファイル内の「第8款 心・脈管」のうち先天性心疾患に関係する「分類コードK562からK587」と「K554弁形成術,K555弁置換術の0~14歳」を対象とした。分類コード内で細分化されている診療行為については、手術方法に応じてまとめ合算した。【結果】各年度の算定手術回数は、平成26年度8,463回、平成27年度8,614回、平成28年度8,614回、平成29年度8,529回、平成30年度8,370回、平成31年度8,531回、令和2年度7,614回であった。手術別では、一番算定件数が多いのは、①心房中隔欠損閉鎖術で、続いて②心室中隔欠損閉鎖術、③動脈管開存症手術、④肺動脈絞扼術、⑤単心室症手術、⑥体動脈肺動脈短絡手術(ブラロック手術、ウォーターストン手術)、⑦経皮的肺動脈弁拡張術、⑧ファロー四徴症手術、⑨弁形成術(1弁のもの)、⑩肺静脈還流異常症手術という順であった。【考察】手術算定回数は、平成31年度まではほぼ横ばいであったのが、令和2年度は前年より11%減少していた。出生数が年々減少しているとはいえ、減少率が増加した原因としてはCOVID-19禍による定時手術の延期によると考えられた。【まとめ】今回レセプトデータを調査したところ、令和2年度に先天性心疾患の手術件数は11%減少しており、コロナ禍の影響と考えられた。