[II-P07-2-05] 肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損、太く長い蛇行動脈管に対するステント留置
Keywords:動脈管ステント, カテーテルインターベンション, 肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損
【背景】動脈管依存性肺循環を合併する先天性心疾患に対するpalliationとして、従来は動脈肺動脈シャント手術が一般的であったが、現在動脈管ステント (PDA stent) 留置の優位性が示されつつある.血管アプローチ、動脈管形態サイズの観点から、全症例が適応とはならない.【目的】太く重度の蛇行を有するPDAにより肺循環を維持してきた肺動脈閉鎖症例に対しPDA stentを留置すること.【対象】肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損、1歳0ヵ月、18トリソミー.生直後からPG製剤継続.気管切開、人工呼吸管理、経管栄養により体重増加、在宅医療を目指すため当院へ治療依頼.【動脈管形態】造影CT:PDAは大動脈弓天井から起始、90°以上の蛇行が2カ所でlong and tortuous type.・PDA肺動脈付着部は左右肺動脈に極めて近傍.【治療方針】人工心肺下手術リスク、開胸術後の集中管理の難しさを考慮、径カテーテル的にPDA stent留置する.【Stent留置】・全身麻酔下、右腋窩動脈アプローチ、Parent plusガイディングシースを挿入.・0.035インチガイドワイヤーを先行しJRカテーテルをPDA入り口まで挿入し造影.PDA径は3.5-5.0mm、冠動脈stentではアンダーサイズ、末梢血管用stentを留置する方針とした.・JRカテーテルを親カテとしてマイクロカテーテルを肺動脈末梢まで進めるも、0.14インチスティッフガイドワイヤーを肺動脈末梢に置くことに難渋.・Express SD stent 6*18mm 2個、6*14mm 1個をタンデムに留置 (左右肺動脈に干渉せよう肺動脈付着部近傍から大動脈近傍までカバー).透視時間68分.【術後経過】酸素飽和度75-82%.術後3ヶ月stent内狭窄なし.【考察】long and tortuous typeのPDAでもstent留置は十分可能.・Tortuous type PDAに対するstent長選択は難しい.【結語】太く長い蛇行動脈管に対するstent留置は十分可能である.低侵襲であることは大きなメリットである.