[II-P07-5-08] 先天性心疾患患児の母親が退院後に抱える困難さとその対応
Keywords:先天性心疾患, 母親の抱える不安, 医療的ケアの継続
【背景】先天性心疾患患児の母親は退院後も状態変化時の判断や対応だけでなく、育児に加えて医療的ケアの継続が求められ、母親の不安が増強する要因にもなり、何らかの困難さを感じていると予測される。【目的】母親が退院後に抱える困難さと対応を明らかにし、看護支援について検討する。【方法】0-3歳を対象とし、生後すぐに手術を受け、初めて退院した患児で、1-2か月以内で外来受診をした母親を対象とし、半構成的面接後、質的帰納的分析を行った。院内の倫理委員会の承認を得て、対象者には参加は自由意志であり、途中辞退の権利、プライバシー保護について説明し同意を得た。【結果】対象となった母親は3名、うち医療的ケアが必要な患児は1名、内容は経管栄養であった。患児の平均入院日数は30日。退院後に母親が抱えた困難さでは《症状や体調管理を母親が担う難しさ》《医療的ケアを生活に取り入れる難しさ》《チアノーゼへの不安》《近所の病院では対応できないかもしれない不安》《与薬を継続する難しさ》などの9カテゴリーが抽出された。退院後に抱える困難への対応では《入院経験や知識を活かしアセスメントした》《患児との生活がしやすいよう環境調整した》《ネットで検索し新たな情報を得た》《家族の力を借りて補った》などの6カテゴリーが抽出された。【考察】情報収集や家族の力を借り、母親なりに患児の状態をアセスメントし向き合っていることが明らかになった。退院後は母親に判断が求められ、全部自分にかかるというプレッシャーを感じながら生活をしている。入院中から母親と一緒に患児の状態を観察し、母親のアセスメント力を高めることが退院後の困難さや不安の軽減に重要と考える。【結論】入院中から、受診が必要な症状を具体的に説明するなど母親が病院に相談しやすい環境を整え、また外来受診とともに母親が思いを表出する機会を作るなど、退院後の支援体制を検討する。