[II-P08-2-08] 新生児・乳児期早期の体外式膜型人工肺下、緊急カテーテル治療の施行例について
Keywords:extracorporeal membrane oxygenation, catheter intervention, neonatal
【背景】心臓カテーテル治療において, 新生児症例や体重が小さいこと, 体外式膜型人工肺(Extracorporeal Membrane Oxygenation: ECMO)下であることは合併症のリスクが高く, 救命も難しい. 当院において新生児・乳児期早期に体外式膜型人工肺下で緊急カテーテル治療を行った3例について検討する. 【対象】1993年から2022年までにECMO下でカテーテル治療した5例のうち, 新生児・乳児期早期に施行した症例は3例. 診断は左心低形成症候群 2例, 房室中隔欠損症1例. 年齢は平均日齢41, 体重は平均3.1kgであった. 【症例】症例1は日齢34の女児. 房室中隔欠損症, 大動脈弁下狭窄, 大動脈弓低形成の診断で, 日齢26にNorwood術を施行. 術後心機能は改善したが低酸素血症のためECMO離脱できず, 術後8日目にバルーン肺動脈形成術, ステント留置術を施行し, 翌日の離脱トライで動脈血酸素飽和度が上昇した. 症例2は日齢20の男児. 左心低形成症候群の診断で日齢4に両側肺動脈絞扼術と経皮的心房中隔裂開術を施行. 術後経過安定していたが, 術後16日に右冠動脈の閉塞による心筋梗塞の診断でECMO導入と緊急冠動脈造影, 選択的冠動脈内血栓溶解術後を施行. 術後心機能改善し7日でECMO離脱した. 症例3は日齢70の男児. 左心低形成症候群の診断で日齢3に両側肺動脈絞扼術を施行. 同日血圧低下を伴う心房頻拍を発症した. 内科的治療で管理困難であり, 日齢63の頻拍発作を契機にECMO導入された. 日齢66にECMO下に心耳切除とsurgicalアブレーション施行したが, 術後頻拍発作の再発あり, 日齢70に房室ブロック作成術を施行し, 同日ECMOを離脱した. 【結語】新生児・乳児期早期にECMO下でカテーテル治療を行う場合も正確な適応判断を検討し, 積極的に考慮すべきである.