[II-P08-5-04] Auto strainを用いた左室GLS(global Longitudinal Strain)および左房Strainは、BNPと相関する
キーワード:Auto Strain, 左室GLS(Global longitudinal strain), LA strain
【背景】左室GLS(Global longitudinal strain)は、LVEFに比較して早期に収縮機能低下を検出し、心疾患患者の予後予測に有効であることが報告されている。また、左房ストレイン(LA strain) は、拡張機能不全の予後因子として有効とされている。近年自動技術を備えた簡便・再現性の高いAuto Strainが登場し、日常診療に有効であると考える。【目的】左室GLSやLA strainが、BNPと相関するかを検討すること。【対象と方法】対象は、2021年3月から2023年1月まで当院でAuto Strain解析を施行し、採血もほぼ同時に行なった二心室修復術後患者31人とした(年齢:47± 25 ヶ月、疾患の内訳:TGA術後10例、VSD術後11例、PAVSD術後3例、TOF術後5例、TAPVC術後2例、AVSD術後5例、DORV術後3例、IAA術後1例、およびASD術後1例)。心エコー装置は、PhilipsのEPICを用い、Auto LV strainおよびLA strainは、PhilipsのEPICに搭載されているTom Tec社製のAuto stain解析を用いた。心尖4腔、心尖2腔、心尖3腔を保存、自動解析により計測され、明らかに輪郭のトレースが逸脱しているものに関しては手動で修正を行った。従来の心エコー指標(LVEF、TMF E/A、中隔・側壁のs’、e’、E/e’)およびBNPと比較検討を行なった。解析には、JMPを用い、有意差は、p<0.05とした。【結果】GLS、LA strain (reservoir)、LVEF(Modified Simpson法)とBNPの間に有意な相関を認めた(p=0.04、p=0.02、p=0.005)。一方で、LVEF(M-mode法)、E/A、中隔・側壁のs’、e’、E/e’とBNPは、有意な相関は認めなかった。【考察と結語】BNPは、心不全の診断から重症度、予後予測や治療マーカとしても用いられる。従来のパラメーターとしてはLVEFとの相関が見られ、同様にGLS、LA strainの相関が得られたことにより、小児先天性心疾患患者おいても、Auto strainを用いた自動解析は簡便で、小児心不全患者の予後予測マーカーとして有効であると思われる。