第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

画像診断

ポスター発表(II-P08-5)
画像診断1

2023年7月7日(金) 15:50 〜 16:40 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:栗嶋 クララ(こども家庭庁 母子保健課)

[II-P08-5-08] 当院における運動負荷試験の課題

浅田 大, 林田 由伽, 藤﨑 拓也, 森 雅啓, 松尾 久実代, 石井 陽一郎, 青木 寿明, 萱谷 太 (大阪母子医療センター小児循環器科)

キーワード:運動負荷試験, 運動療法, スポーツウォッチ

はじめに先天性心疾患を有する小児において、体力の維持・向上はQOLの改善に重要であり、運動負荷試験、特に心肺運動負荷試験(CPX)の必要性、運動療法の重要性は増加してきている。目的当院で行われている運動負荷試験の現状を明らかにし、今後の課題を検討すること。方法2021年4月1日から2022年8月31日まで行われた運動負荷負荷試験を、心肺運動負荷試験(CPX)あり、なしに分け、それぞれの患者背景、検査理由、結果に関して検討した。結果期間中137例に検査を実施し、78例がCPXあり((+)群)、残り59例がCPXなし((-)群)であった。(+)群では、Fontan術後、2心室修復術後の運動耐容能検査がそれぞれ30例、25例、不整脈精査16例、胸痛精査6例、高血圧精査1例と、先天性心疾患の運動耐容能評価が主であり、最高酸素摂取量(Peak VO2)、嫌気性代謝閾値(AT)を評価していたが、具体的な運動療法の処方はされていなかった。(-)群では、不整脈精査38例、胸痛/動悸/失神/心電図異常の精査17例、2心室修復術後の運動耐容能検査4例と、不整脈精査が主であった。考察運動療法は、虚血性心疾患を主とする成人心血管疾患患者において、生命予後を改善することが期待されているが、先天性心疾患術後患者に対してはまだ十分に応用されていない。今回の検討でも、CPXは主に先天性心疾患術後の運動耐容能評価に行われていたが、結果をその後の診療に十分活用できていない現状が判明した。現在当科では、入退院を繰り返している慢性心不全の患者を対象に、スポーツウォッチを活用した運動療法の導入を試みている。小児循環器領域では適応となる症例が多様であり、今後症例を蓄積してより良い運動負荷試験、運動療法を実践する必要があると考えられる。