[II-PWS1-01] 心理的安全性から論じるECMOチームカンファレンスのあり方
キーワード:心理的安全性, チーム医療, ECMO
ECMO管理はチーム医療の集大成と言えるものであり、集中治療科、心臓血管外科、循環器科などの医師だけではなく、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、栄養士、心理士、保育といった専門家も非常に重要な役割を担っている。様々な専門性のある医療者がECMO管理に関与するため、医師だけが発言するだけでなく、その他職種が発言するような、それぞれの高度な専門性を活かした情報共有や協議の場としてのチームカンファレンスが重要になってくる。当院ではECMOチームカンファレンスの前段階として、ECMOよりも長期管理を要する補助人工心臓(EXCOR)において、チームカンファレンス体制を確立した。体制確立前にあたっては、聞き取りやアンケート調査を行い、発言しにくい、不安があるといった意見が医師以外の職種で多く、心理的安全性が高くない結果であった。心理的安全性は、組織行動学のエドモンソンが提唱した心理学用語であり、Googleが生産性の高いチームは心理的安全性が高いとの研究結果を発表したことで有名である。医療の現場でも心理的安全性が高まることで、専門性を生かした発言が可能となり、チーム内での情報交換が活発化し、その結果としてチーム全体の知識・技術が向上していくと考えられている。多施設で行われた『医療における安全文化に関する調査』に当院も参加しており、心理的安全性に関する調査結果とアンケートを踏まえて、本学会ではECMO管理における最善のチームカンファレンスのあり方について、心理的安全性の観点から論じていく予定である。