The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望ワークショップ

会長要望ワークショップ(II-PWS1)
ECMO管理におけるチームカンファレンスのあり方

Fri. Jul 7, 2023 4:00 PM - 5:30 PM 第4会場 (G303)

座長:吉田 譲(埼玉医科大学国際医療センター MEサービス部), 座長:齊藤 修(東京都立小児総合医療センター 救命・集中治療部)

[II-PWS1-02] PICU ECMOマニュアルの作成 ー 迅速なECMO導入を目指した体制の構築 ー

山川 貴史1,2, 西岡 雅彦2, 藤原 直樹3, 大里 悠貴1, 高良 美沙紀1, 星 はるな1, 池間 真由美1, 大城 俊朗1 (1.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 看護部, 2.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児心臓血管外科, 3.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児集中治療科)

Keywords:PICU, ECMOマニュアル, 多職種連携

【背景・目的】当院は、過去10年で45件(平均:4.5件/年、cardiac:28件,respiratory:7件,ECPR:10件)のECMO管理を経験した。これまでECMO宣言から導入までの時間は平均51.8±18.5分を要しており、より迅速なECMO導入を目指した体制構築が重要な課題である。今回、課題解決に向けて医師、看護師、臨床工学技士と共同しPICU ECMOマニュアルを作成した。【方法】研究デザイン:ニーズアセスメント。研究期間:2021年2月-2023年1月対象:PICUに係る医師(n:7)、看護師(n:20)、臨床工学技士(n:11)。研究方法:①マニュアル作成に関するpreアンケートから、Q1.ECMO導入時に最も重要なこと、Q2.ECMO患者を受け持つ際不安なこと(看護師のみ)を抽出し多職種のニーズを調査した。②マニュアル作成(作成期間:2ヶ月)。③2021年4月からマニュアルの運用を開始し、2023年1月にpostアンケートを実施した。【結果】ECMO導入時のニーズは「時間短縮」と「シミュレーション教育」が最も多く(29%)、次いで「人員の役割分担」「プロトコルの整備」(14%)であった。看護師の不安で最も多かったのが、「導入物品の準備」(29%)、「ECMO患者のケア」(22%)であった。以上の結果よりマニュアルには導入のプロトコル、アクションカード、小児ECMO管理を主要項目とし作成、シミュレーションを開催した。マニュアル運用後、1件のECMO緊急導入を経験し、導入時間は36分であった。postアンケートでは全員が「PICUマニュアルは必要」と回答し、ポジティブな結果を得た。【結論】ECMO管理の質向上のためには多職種連携が重要であり、今後も迅速なECMO導入を目指して、マニュアル改定、シミュレーションを継続・発展させていく必要がある。