[II-PWS1-03] PICUでのECMO導入処置におけるミニカンファレンスの意義
キーワード:ECMO導入処置, 情報共有, ミニカンファレンス
【背景】緊急性を要するECMO導入においては,スタッフ全員が参加してカンファレンスを行うことが難しく,結果としてチーム間の情報共有に支障をきたすことが多い.当院では,個々の問題については,直接関係するスタッフのみのミニカンファレンスで議論を行い,その結論をリーダーであるPICU医に集約,要点のみをブリーフィングの際に全体で共有することとしている.【ミニカンファレンスのテーマ】① 家族対応:PICU医, 主科担当医,および看護師で患者家族の状況や説明対応を検討する② 全身管理方針:循環器科医のエコー診断を参考に,PICU医と看護師で呼吸循環管理の方針を協議する.③ 物品の整備:心臓外科医と看護師が連携して行う.スムーズで混乱のない処置のためには,平時より物品整備や必要物品のリスト化を進めるとともに,必要最小限の道具で処置を完遂できるよう手技の洗練に務める必要がある.④ カニュレーション様式の判断:患者の病態や解剖学的条件にPICU医や臨床工学技師の意見を加え,最終的には心臓外科医が判断を下す.⑤ 処置中:心臓外科医は手技を進めながら適宜術野の状況をPICU医に伝え,処置中の全身管理の一助となるべく配慮する.また,十分かつ安定したECMO flowを確保するためには,循環器科医および臨床工学技士と協力してエコーガイド下にカニューレ先端位置の調整を行うことが肝要である.【考察】慌ただしいECMO導入処置においては,テーマごとに少数の担当者間でミニカンファレンスを行うことで,効率的に治療を進めることが可能となる.チーム全体での適切な情報共有には,リーダーであるPICU医に集約された情報がブリーフィングで還元されることが鍵となる.