[II-PWS2-02] 長期入院児(EXCOR装着患児含む)に対する『10の姿』を目指した病棟保育の取り組みの評価
Keywords:長期入院, 病棟保育, 発達支援
背景→当院では児童が通う院内学級はあるが、乳幼児が通う院内保育園・幼稚園は無かった。毎日限られた空間の中で限られた人としか接したことない長期入院患児は、言葉、人との関わり、自立心等いくつかの面において発達の遅れや経験不足が感じられる。そこで病児にも文部科学省が示す幼児期までに育ってほしい『10の姿』を目指した保育が出来ないかと考え病棟保育を実施し、その振り返りと評価を行い課題を見い出す。症例→令和4年4月より毎週金曜日10時~11時の1時間『幼稚園の日』としてプレイルームにて病棟保育を開始。乳児期に体外式補助人工心臓を装着し、心臓移植待機期間が3年を越える患児2名。この二人は医師の許可のもと毎週登園している。短期入院の乳幼児も加わり、多い時は5~8名の参加がある。皆で歌や体操、製作、ルールのある集団遊び等を行っている。これまで自分と親、自分と医療スタッフという関わりが主であった患児にとって、同年齢や複数の人達との関わりや、さまざまな活動は大きな刺激となっている。考察→1年間の病棟保育の取り組みが『10の姿』を目指した成長に繋がっているかを、独自のアンケートを作成し調査した。本研究に賛同を得た患児の家族とコメディカルスタッフにアンケートをお願いし倫理的配慮として無記名とした。アンケートの結果、長期入院患児家族、コメディカルスタッフ共に「病棟保育は必要か?」の問いに「必要である」との回答が100%であった。患児は病棟保育を通じ外の世界を知り、言語の発達、協調性など『10の姿』が身に付いてきており今後も病棟保育を継続し、さまざまな経験が患児の成長に繋がると考える。『10の姿』の項目である自立心や自然との関わり等はまだ不十分である為、患児、家族、多職種と連携して活動範囲を広げていきたい。※引用文献 幼児期の終わりまでに育ってほしい『10の姿』文部科学省 幼稚園教育要領