[II-SY04-02] 循環器内科医から考えるFallot四徴症術後患者の実情
キーワード:ファロー四徴症, 右室流出路機能不全, 診療体制
当院が担う医療圏における高度小児循環器診療は兵庫県立こども病院が担っている。そのため、当院は原則小児循環器診療施設での治療後に複雑ACHD患者を受けいれる成人施設であり、2013年にACHDセンターを設立後、兵庫県立こども病院と密に連携しながらACHD診療を実践してきた。当院は、これまでに未修復やFontan循環を除く101名の二心室修復後のTOFならびに類似疾患患者(平均29歳、女性53%)を受け入れてきた。紹介元の多くが兵庫県立こども病院ならびに先天性心疾患専門施設(n=67, 66.4%)であるが、残りは非先天性心疾患病院(n=18, 17.8%)、院内紹介(n=13, 12.9%), 地域のクリニック(n=3, 3%) と非先天性心疾患専門医からの紹介であった。半数以上で中等度以上の右室流出路機能不全(n=66, 65.3%)を有し、これまでに16名(15.8%)の右室流出路機能不全に対して外科的介入をしてきた。とりわけ、11/16名(68.8%)が非専門病院からの紹介患者であり、右室機能不全が進行していることが多く、当院受診後中央値6.5ヶ月で外科的治療介入を必要とした。専門施設からの経過観察が中断された患者においては、致死性不整脈や右心不全を発症するなど右室流出路機能不全が進行してから紹介を受けることが多く、早期介入に向けた地域連携の構築が課題である。また、TPVIが国内に導入になったなかで、当院が担う医療圏におけるTOF患者の診療体制の実態も報告する