[II-SY04-04] Harmony TPVの実際 適応評価と手技
Keywords:経皮的肺動脈弁置換術, Harmony TPV, ファロー四徴症
Harmony経カテーテル肺動脈弁システムは，自己組織のRVOT再建術後患者用の自己拡張型弁であり，2サイズ（TPV 22，25）が存在する．対象疾患群のRVOT形態は多様で，手技の成否には正確なデバイスフィットの判定が重要である．判定はフィトアナリシスと呼ばれる造影CTデータを用いた専用のシステムで行われ，CTは心周期の30%と90%を含む位相で規定のプロトコールで撮像される．RVOTの特定部位で，センターラインベースの周囲径・長さおよび心周期での最大・最小値の解析等によりフィットアナリシスのレポートを基に総合的にデバイスフィットが判定される．レポートには推奨ランディングゾーン，バーチャルシミュレーションなどが示され，解剖学的多様性が大きい同疾患群で信頼性が高く，手技に有用な情報が得られる．国内で行われたフィトアナリシスのデータでは，80％以上の症例が適合しており，不適合となる解剖学的な要因は，Pyramidal型の右室流出路・肺動脈形態，大きな右室流出路の径が多く，次いで肺動脈長や肺動脈分岐部の径などである．最近では，フィトアナリシスで不適合の判定であっても留置が可能であった症例も報告され，適応判定や留置手技には，さらなる習熟が求められる．