The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

シンポジウム5(II-SY05)
小児用医療機器開発の現状:アカデミアができること、すべきこと

Fri. Jul 7, 2023 8:50 AM - 10:20 AM 第3会場 (G304)

座長:金 成海(静岡県立こども病院循環器科), 座長:小野 博(国立成育医療研究センター循環器科)

[II-SY05-02] 小児用医療機器開発を推進する環境整備

藤井 隆成 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

Keywords:HBD for children, Academic Research Consortium, 肺動脈ステント

Academic Research Consortium(ARC)は,2006年に米国にてアカデミア,FDA,企業間の協力で非公式な活動として開始された.臨床治験における普遍的で一貫性のあるエンドポイントの定義を作成することが目的であり,新規のデバイス開発を円滑に行うために産官学の協力で行われている.成人循環器領域では,冠動脈ステント,経カテーテル的大動脈弁置換術用生体弁,MitraClipなどで成果が上げられ,デバイスを開発するためのプロセスとして定着している.現在,Harmonization by doing for children(HBD children)の活動として,日米のアカデミア,規制当局(FDAおよびPMDA),企業が参画してARCを小児領域の医療機器開発にも応用することが試みられている.具体的なPOCとして肺動脈ステントが挙げられ,デバイス承認へのプロセスを促進することを目標として,将来的な日米共同治験における評価項目やエンドポイントの定義作成が進行中である.小児,先天性心疾患に関する定義や評価項目の設定は,基礎疾患と各病変の多様性や将来的な成長を加味する必要があることからより綿密な合意形成を要する.本演題では,ARC,および現在HBD for childrenで行われている活動に関して,その必要性と現状に関して説明する.