第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム7(II-SY07)
新規心不全治療薬を先天性心疾患診療にどう活かすか

2023年7月7日(金) 10:30 〜 12:00 第4会場 (G303)

座長:坂口 平馬(国立循環器病研究センター小児循環器内科), 座長:石戸 美妃子(東京女子医科大学循環器小児科)

[II-SY07-02] 各種利尿薬の上手な使い分け 解除したいうっ血はどこなのか、どうやって効くのか考えてみよう!

東 浩二 (千葉県こども病院 循環器内科)

キーワード:利尿薬, うっ血, 体液量過剰

近年、成人領域における心不全治療は多くのエビデンスに基づいて次々に新たな抗心不全薬が登場している。うっ血解除を目的に使用される利尿薬の分野においても、様々な興味深い知見が得られている。うっ血は体液量過剰によって生じるが、適正な体液管理を目指す上で、細胞内・間質・血管内の3つのコンパートメントの概念を意識して、うっ血が血管内なのか間質(組織)なのか考えることが重要である。うっ血解除の第一選択は、強力なナトリウム利尿作用を示すループ利尿薬であることは疑う余地がないが、フロセミド抵抗性を示す症例や組織うっ血が残存する症例をしばしば経験する。このような症例に対するセカンドラインの治療として、ループ利尿薬の使用法の変更やサイアザイド系利尿薬、トルバプタンなどの追加投与を検討する際に、各種利尿薬の薬理作用を理解しておく必要がある。本公演では利尿薬の腎臓への作用機序を中心に解説し、小児領域にも応用できる利尿薬の使い方について述べたい。