[II-TSPCJS2-03] 成人先天性心疾患・ハイリスク妊娠における抗凝固・抗血小板療法
Keywords:成人先天性心疾患, 抗凝固, ハイリスク妊娠
成人先天性心疾患における抗凝固薬、抗血小板薬の使用方法に関しては確立されたエビデンスはなく、各施設の使用経験に基づき処方されている。非先天性心疾患の一般循環器成人症例においては、患者の内服コンプライアンス、定期通院不要、短い血中半減期、食事制限不要といった点から、DOACが好まれる。DOACの処方に関してはCHADS2スコア等を用いてそのリスクとベネフィットを考慮した上で処方するわけだが、成人先天性心疾患においてはそのようなスコアは存在せず、明らかにCHADS2スコア等(年齢カットオフ値75才)よりも早い年齢から使用する必要がある。先天性心疾患ハイリスク妊娠時の抗凝固薬、抗血小板薬の使用方法に関しては確立されたエビデンスはなく、欧米のデータをそのまま鵜呑みにして使用すると、出血のコントロールに難渋することになる。日本国内でXaレベルを測定できないこともあり、ヘパリンの皮下注射に関してもコントロールが不十分になる傾向がある。実際の症例を提示しながら、成人先天性心疾患における抗凝固薬、抗血小板薬の適切な使用方法に関して検討する。