[II-V-01] 完全型房室中隔欠損症修復術に対するハート型パッチが有効になる場面
Keywords:房室中隔欠損症, 心内修復術, 手術手技
【背景】弁尖はcoaptation zoneを有する事で開口と逆流防止を両立する.c-AVSD修復術においてVSDパッチをハート型にしてそれを再現することで右側房室弁形態が良好になることをこれまで報告してきた.左側への好影響は示せなかったが,一般にseptation中心で弁尖形態が崩れてもcleft閉鎖することでその悪影響は打ち消されていくことがその理由と考えられる.弁口面積が小さくcleftが閉鎖できない場合にハート型パッチのメリットが出てくるためその手技を供覧したい.【方法】弁尖接合形態を崩さいないためには,septation lineの弁尖接合部でVSDパッチに切れ込みを入れることで元々有するcoaptation zoneを維持する.【供覧症例】12ヶ月のVACTER連合の女児.体重7.6kg.診断はc-AVSD, AS, CoA,hypo AO-archに対してB-PAB→EAAA+M-PABを施行.UCGによる左側房室弁成分は86%N.大動脈弁は2尖弁で84%N.2-patch repair,AVPを施行した.弁下形態はRastelli Aでseptation lineをleft superior leaflet右縁に設定して左側87%Nの開口.VSD patch固定,cleft閉鎖前で左側77%Nの開口.水試験でMRなし.右側はedge-to-edge1針でなし.【結果】2019-2023年までの10例(TOF+c-AVSD5例含む)にこのpatch形状を用いた.月齢11±2ヶ月,体重6.6±0.6kg.Rastelli A 6例,C 4例.右側房室弁へのedge-to-edge repairは1.3±1.1針.cleft未処置1例,不完全閉鎖1例.遠隔期最終TRは0.9±0.9度,MRは1.2±0.7度でcleft先端からであった.【結語】元の弁尖形態を崩しにくいためcleft閉鎖できない症例で有効性が上がる可能性がある.