[III-CSY08-01] 本邦に於けるフオンタン術後臨床事故の現状把握と治療・管理法の確立を目指した前向き多施設コホート研究:フォンタン・レジストリー
Keywords:フォンタン, 入院, 治療
フォンタン循環は高い中心静脈圧、低い心拍出量、そして軽度の低酸素血症を特徴とする特有に循環で、慢性両心不全の病態を示す。従って、フォンタン循環に関連した心不全悪化、不整脈、蛋白漏出性胃腸症、血栓症など入院治療と管理を必要とするイベントや死亡の頻度が高い。これらの術後遠隔期の総死亡や予定外入院などのイベント(予後)と関する予後と関連する危険因子の同定に関する解析は多く報告されている。しかしながら、これら入院を要する患者に対する治療と管理法は世界的に確立していない現状から、各イベントに関連する病態の治療と管理は各施設に委ねられているのが現状がある。本邦でもフォンタン術後合併症に対する医療の全体像は不明で、同時に加療後の実態も不明である。そこで、日本小児循環器学会学術委員会の支援の基、これら入院加療を要するフォンタン術後患者の実態を把握し、予後改善に向けた治療・管理法の確立を目指したレジストリー研究(フォンタンレジストリー)を立ち上げ進行中である。参加施設は国立循環器病研究センターを含め20施設で3年間の登録期間で200例を目標とし、入退院時検査成績、入院中の治療管理、退院後3年の予後把握から成る。現時点で目標の200例を超える登録数となっている。当該レジストリーの概要と途中経過について報告する。