[III-CSY08-04] 先天性心疾患患児のRSV感染予防に関する研究
キーワード:パリビズマブ, コンセンサスガイドライン, 感染重症化抑制
Respiratory syncytial virus(RSV)は乳幼児の下気道感染症の主要なウイルスで、新生児や早産児、慢性肺疾患、先天性心疾患(congenital heart disease: CHD)、免疫不全、Down症候群の乳幼児では重症化するが、特異的な治療法はないのが現状である。本邦では、2005年10月にCHD児に対する抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体「パリビズマブ」(シナジス)が認可され、日本小児循環器学会で使用に関するガイドラインが作成された。2019年、RSV感染流行期の変化に対応して、日本小児循環器学会を含む関連10学会が統一化され、「日本におけるパリビズマブの使用に関するコンセンサスガイドライン」が日本小児科学会から、「先天性心疾患児におけるパリビズマブの使用に関するコンセンサスガイドライン(2019年改訂版)」が日本小児循環器学会から発行された。本実態調査の目的は、ガイドラインに沿ったパリビズマブによる感染重症化抑制の現状を明らかにし、その後の診療に生かすことである。最新の2021-2022年シーズンの調査を中心に報告する。