[III-PSY4-01] リンパの解剖とリンパ管造影の歴史
キーワード:リンパ, IVR, 歴史
リンパ節やミルク状の液体が流れる脈管は紀元前500年に既に記載されていた.しかし本格的にリンパの解剖が明らかとなったのは1600年代である.イタリアの解剖学者のAselliusは腸間膜のリンパ管を初めて記載したが,この液体は肝臓で代謝されて血液になると考えていた.その後フランスの医師であるPecquetが胸管を同定し乳びは静脈に還流することが明らかとなった.最終的にスウェーデンの学者であるRudbeckが肝臓からのリンパ液も乳び槽に合流することが明らかにした.リンパ系のインターベンションは比較的新しい治療であるがその治療には他の脈管系と同様にリンパの解剖を理解することが重要となる.術後の乳び胸水を初めとするリンパ漏の治療として始まったリンパ系IVRが今日では先天性心疾患の合併症である鋳型状気管支炎や蛋白漏出性胃腸症の治療の結びつくのが明らかとなったのは最近の事である.本講演ではリンパ系IVRに必要なリンパの解剖や様々なリンパ管造影について概説を行う.