The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

シンポジウム11(III-SY11)
小児循環器診療にAIをどう活かすか

Sat. Jul 8, 2023 11:10 AM - 12:40 PM 第3会場 (G304)

座長:佐川 浩一(福岡市立こども病院 循環器科), 座長:三谷 義英(三重大学大学院医学系研究科小児科学)

[III-SY11-01] AIを活用した治療薬開発と新規医療機器開発・社会実装の実際

田村 雄一1,2 (1.国際医療福祉大学 医学部 循環器内科学, 2.(株)カルディオインテリジェンス)

Keywords:AI, 医師主導治験, SaMD

AI研究は現在さまざまな領域において行われているが、社会実装されている例はまだ乏しい。本演題では、発表者らが進めているAI技術の実例に関して講演を行う。1: AIを活用した医師主導治験の実施肺動脈性肺高血圧症に対する分子標的療法は数多くの基礎的データがある一方で、適切な対象を絞ることができず臨床試験でのエビデンス創出には至っていない。そこで発表者らはレジストリデータと網羅的サイトカインデータを組み合わせることにより、IL-6の活性が上昇している一群を特定し、その特徴を持つ患者のみを対象に抗IL-6受容体抗体による医師主導治験を実施している。この特定の際にはAIクラスタリングの手法を活用しており、本領域における初めてのプレシジョンメディスンアプローチとなる。2: ディープラーニング技術を活用したソフトウェア医療機器の社会実装発作性心房細動は塞栓性脳梗塞の原因となるが、ホルター心電図検査によるスクリーニングは専門医療機関以外では進んでいない。そこで発表者らはディープラーニング技術を用いた人工知能(AI)により、ホルター心電図波形における心房細動の診断補助を可能にしたソフトウェア医療機器 SmartRobin シリーズの開発と社会実装を行っている。具体的には大学病院に存在する膨大な心電図データを学習データとして長時間心電図の判定を行う AI を開発し、クラウド型のソフトウェア医療機器として製品開発とクリニックや病院への導入を進めている。本講演では、AI ソフトウェア医療機器開発における実際と、社会実装までの道のり、およびディープラーニングを用いた画期的な医療技術の展望に関して、具体的な経験をもとに紹介する。