[I-CSY1-6] 論文作成:私の場合3(症例報告)
Keywords:症例報告, 医学論文, 小児循環器
症例報告の記載にあたり, ”若手のための症例報告の書き方”的なサイトやCARE case report guidelineなど体系的なものまで幅広い情報があり, どのように書くか, という視点の情報は潤沢である. しかし実際に症例報告を書くにあたり, ハードルを感じることは多い. この発表では論文を書くことにまだまだ抵抗のある私が数本書いてみて気づいたことを報告する.① 題材: 新しい, 珍しいにとらわれがちであるが, 意外となんでもよい. 日常診療の小さな工夫や気づきが診断や治療に結びついた経験, いつもと違う臨床経過, など, 症例報告を読んでみると本当にちょっとした日記のような内容が大半ということに気づく. 本当になんでもよいことがわかると思う. 大きな病院に所属していなくてもたくさん気づきはある.② 内容: 症例について得た情報が報告内容となり, 考えたことがディスカッションに該当する. いつもと違うことに気づいたとき, 原因究明のために”らしい”情報と”らしくない”情報を集めることなど, 日常診療内容を記載する. ③ 書く:日々面白いと思うことがあっても, 時間ややる気がでないことはよくある. googleやpubmedで調べてみると, 意外と類似したことを考えている人がいることに気づく. 後世の人が困らないように, 安宿の宿帳のような気持ちで書き始める. ④ 投稿: 論文としての症例報告では, 論理展開や確からしさについて査読者から確認される. 自分の診療の適切性を専門性の高い同業者から見てもらう良い機会である.自分だけでなく他の医療者から見ても論理的・倫理的な医療が為されていることは医療現場の縮図であり, 論理的な診療のトレーニングに必ずなる.総括:症例報告の記載は日々の診療の総括であり, 時々自分が適切な医療ができているかを確認する重要な場である. たまには書くのが良い.