[I-CSY2-4] 先天性心疾患患者の身体障害者手帳の申請:成人でも18歳未満用の書類を使う!
Keywords:社会保障, 身体障害者手帳, 認定基準
先天性心疾患患者を支える社会保障制度のひとつに、身体障害者手帳制度がある。障害者雇用、鉄道・航空券・高速道路等の運賃割引、税金の優遇、補装具日常生活用具、ホームヘルプ、移動支援、障害児支援等に利用できる。身体障害者手帳は、身体障害者(児)が上記の各種援助を受けるために必要な手帳で、各種更生援護を受けるための前提となり、認定基準より、1、3、4級に分類される。先天性心疾患患者の身体障害者手帳の申請には、心臓機能障害の18歳未満用と18歳以上用の2種類の書式があり、認定基準に違いがある。該当する所見数により等級が定められるが、18歳以上用の書式では、心電図の所見から判断する項目が多く、先天性心疾患患者の全身状態を評価しきれない可能性がある。先天性心疾患による心臓機能障害をもつ患者が、満18歳以降に新規で手帳を申請した場合、診断書及び認定基準は、それぞれ「18歳以上用」と「18歳未満用」のどちらを用いるか?という疑問は、臨床現場でしばしば経験する。それぞれ「18歳以上用」のものを使うことが原則であるが、成長の度合等により、「18歳以上用」の診断書や認定基準を用いることが不適当な場合は、適宜「18歳未満用」により判定することも可能である。令和4年5月に厚労省から認定要綱の疑義解釈により、再認定の場合も同様の取り扱いとなった。以上から、先天性心疾患患者は、新規申請でも再認定でも、また成人(18歳以上)でも「18歳未満用の診断書・意見書」で身体障害者手帳を申請できるようになった。